私自身の仕事の体験談です。
今回は昔働いていたことがある「自動車の組み立て工場」の話です。
仕事の内容や給料、人間関係などについて書いていきたいと思います。
期間工に応募した理由
今から20年ほど前の話になります。
当時、勤めていた仕事を辞めたばかりでした。
体調を崩して辞めたのですが、少し休んで回復していたこと、次に進みたい道が漠然と見えていて、そのためのお金を短期間で稼ぎたいと思っていた時期でした。
そんなときに友人が「車の工場の仕事、楽で稼げるよ」といって紹介してくれたのです。
彼も仕事を辞めて転職活動をしており、次の仕事が決まるまでのつなぎとして期間工に応募して半年ほど働いていたのです。
話を聞いていると、
・一月で30万円ほど稼げること
・作業が単調なのですぐに慣れること
ということらしく、しかも友人は家の近所に工場があって自転車で通勤できたので、給料を使うこともなく、すぐにお金が貯まったということでした。
転職活動はシフトが休みの日に行っていて、工場でまとまったお金を稼ぎながら、半年後に次の仕事が決まって退社したのです。
それを聞いて私も「そのパターンはいいな」と感じ、求人雑誌に掲載されていた期間工の仕事に応募して、面接を受けて派遣されることになりました。
住み込みで働くことに
勤務先は某有名大手自動車メーカーの工場です(誰でも知っています)
友人は通いで仕事に行っていましたが、私の場合は「住み込み」でした。
派遣会社が用意した住居で寝泊まりし、工場ヘは送迎バスで向かうという勤務の流れです。
住み込みで仕事をしたことがなかったので結構不安でしたが、職場とは離れているので気分転換しやすいこと、違う環境で暮らすのも面白いなと思い、赴任先に向かうことにしたのです。
電車で集合場所の駅に着くと、派遣会社の社員さんが車で迎えに来てくれていて、住み込み先のマンションに向かいました。
到着して部屋の玄関に入ると、何人かの靴が置いてありました。
住居は寮のようになっていて、会社が借り上げたマンションの一室を部屋ごとに区切って、複数の派遣社員と一緒に生活するスタイルになっていました。
一応部屋は個室で、玄関とキッチン、トイレ、洗濯機は共同という形。
4人部屋の共同生活です。
私はその中の一室に案内されて、その日はそれで終了しました。
荷物を置き、晩御飯のための食材を近所のスーパーに買い出しに行ったりして、ちょっとした学生時代の一人暮らし気分になっていましたね。
シフトが違うのか、その日は他の住み込みのメンバーと顔を合わせることはありませんでした。
工場での仕事
次の日は勤務先の工場でオリエンテーションがあるので、朝早く起きて準備し、出迎えのバスに乗って工場に向かいました。
工場内にある派遣会社の事務所で説明を受けた後、工場の設備や現場、食堂などを案内され、その日はそれで終わりました。
バスで帰宅して部屋に戻ると、何人か他の派遣の社員もいたので挨拶し、仕事のことや生活のことなどをあれこれ聞いたしていました。
ほとんどの人が地方から働きにきていて、私のように比較的近い県からの派遣さんはいないようでした。
年齢層も幅広くて、私を含めた20代から30代、40代の世代別になっていましたね。
そして次の日から本格的に工場での仕事が開始。
同じように朝早く起きて準備し、送迎バスで工場に向かうと、案内されたのは「部品の配送」部門でした。
工場内の各部署にカートのような車で部品を配っていくという仕事が、私の担当でした。
てっきり組み立ての仕事かなと思っていたので拍子抜けしましたが、この仕事が慣れるまでは結構キツくてですね。
渡された書類を見ながら、工場内の部品の供給場所で必要なものを集めていかなければいけません。
一通り集めて現場に配送しても、すぐにまた新しいものを集めて配送という流れが、ほぼ休みなしに一日中続くので、最初はかなりしんどかったですね。
友人の話していた「同じ作業するから楽だぞ」というのは、現場の組み立てや検査の仕事になるのでしょうが、私の担当は動き回らないといけないので、体力は結構使っていたと思います。
「話が違うじゃねえか」と愚痴りつつも、頑張って毎日作業を続けていると慣れてくるから人間というのは不思議な動物です。
休憩時間は数時間に一回かそこらだったと思いますが、最初は「こんなに短い時間しか休めないのか」と愕然としつつも、そこも慣れてくると仕事の合間に力の抜きどころが分かってくるので、次第に気にならなくなってきます。
何より全体の流れを自分で把握できるので、時間に迫られつつも、数日もすれば体が慣れてきて作業に没頭できるようになりました。
2週間もすれば普通に仕事をこなすようになっていましたね。
職場の人間関係は?
同じ寮に住む派遣仲間は皆、気の良い人ばかりだったので、むしろ帰宅してからキッチンで話したりするのが楽しみになりました。
お互いにシフト制で朝晩の勤務時間や休みの日が異なるので、顔を合わす機会のない人もいましたが、仲良くなった人とは休みが重なると一緒にカラオケに行ったり、飲みに行ったりしていましたね。
職場の人間関係は良くもなく、悪くもなく、といった感じでした。
上司になる現場の主任さんは、当たりがキツい人と穏やかな人の2種類に分かれていて、キツめの人には何度が怒鳴られたこともあります。
逆に穏やかな人は「しんどくない?」とか「休憩いっていいよ」と声をかけてもらったりして、人によって対応が違うのはどこの職場も同じだなと感じました。
同僚になる同じ派遣社員は、当たり外れがかなりありました。
当たりのほうは、面倒見が良い年上の先輩派遣さんがいて、仕事で分からないところとか、同じ派遣会社に属していたので住居の面で不満が合ったりすると、社員さんに都合してもらったりして、いい関係をつなげていました。
また同じ時期に入った同年代の派遣社員もいて、お互いに戦友のような感じで苦労話を休憩時間に愚痴り合ったりしてました。
逆に外れのほうですが、一つは「コミュ二ケーションがとれない人」がいたこと。
オタク風の外見でしたが、話しかけても返事はないですし、仕事の前に体操をしてお互いに指差し確認の声上げをするのですが、その人が私の前になった時は絶対にこちらに視線を合わせない「コミュ障」ぶりでした。
特に実害はなかったので、「変わった人がいるな」くらいにしか思っていませんでしたがね(笑)
困ったのが「ギャンブル好き」な先輩。
いかにも柄の悪い感じの人で、初日から「部屋でマージャンするけど来る?」といって誘ってきてました。
直感で「カモにされるな」と悟ったので、その都度理由をつけて断ってました。
まあそれ以上の強要はなかったので、当たり障りのない対応さえ心がけていれば、そこまで「地雷」な感じではなかったですね。
給料は?
日当で1万円少々、残業代などがつくので(ほぼ毎日あった)、一月で30~40万円くらいはあったと思います。
保険や家賃、食事代を差し引いて実質の手取りは20万円半ばから30万円あるかないか、といったところでしょうか。
仕事はシフト制で日勤と夜勤があり、どちらも仕事終わりには結構疲れているので、勤務日は部屋に戻ってご飯を食べてテレビを見て寝るの繰り返しでした。
勤務がオフの日は仲良くなった寮の派遣仲間と遊びに行ったりしていましたが、それもカラオケとか食事程度だったので、そこまでお金を使うこともありません。
というか、場所が郊外の田舎にあったので、遊ぶところがあまりなかったのが良かったのかもしれませんね。
なので毎月17~20万円前後のお金を貯めることができていました。
契約が終わる1年後には、かなりの額を貯金できていたと思います。
まとめ
こうして契約期間の満期まで無事に勤め上げて、工場勤務を終えることになりました。
我ながら良い仕事ぶりだったので、職場の上司の覚えもよく、契約の更新を打診されましたが、それなりのお金も貯まっていて次の目標のために使うつもりだったので、断らせてもらいました。
工場勤務は慣れれば体力的には問題なくなると思います。
精神的な部分は、どれだけ職場内でコミュニケーションをとれるかでしょうし、住み込みなら寮で愚痴をいいあえる仲間ができるかによって、慣れる慣れないは出てくると思います。
基本的には工場での仕事は閉ざされた空間なので、人間関係はどうしても濃くなってしまうもの。
質の悪い人が混じっていた場合、そうした人とのトラブルも注意です。
中には「主」のような人もいるので、相手のキャラを見極め「敬いつつ、距離を空ける」慎重さが必要だと思いますね。
基本的には慣れると仕事は楽になりますし、お金を使うこともないのですぐに貯まります。
短期間でまとまったお金が必要な人は、工場系の期間工の仕事は全然ありだと思います。
私自身の体験からそう感じました。
今回の記事が自動車期間工の応募を考えている人の参考になれば幸いです。
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